霊長類とバナナIA 期末試験 問題と解答

  霊長類とバナナ IA 期末試験
     2016年1月1日(金)
     担当教官 ザリ
問題
5匹の猿A B C D Eと16本のバナナがある。はじめ、全てのバナナは5匹のそれぞれによって所有されていた。この5匹には序列が存在し、序列が上の猿は下の猿からバナナを奪うことができる。逆は起き得ない。
少なくとも、次のことは分かっている。

・Aは始め3本のバナナを持っていた。計2本を奪われた。
・Bはほかの猿から計2本のバナナを奪い、計4本を食べた。
・Cは始め4本のバナナを持っていた。Eから計1本を奪い、計3本食べた。
・Dは自分より序列が下の全ての猿から、過不足なく1本ずつのバナナを奪った。
・Eは始め3本のバナナを持っていて、計2本を食べた。
・ボス猿(1番序列が上の猿)以外は、必ず1本以上のバナナをほかの猿に奪われた。

この時、5匹を序列の順に並べよ。
ただし、食べたバナナの本数とは、奪われずに残ったバナナの本数のことである。



解答

まず、1番下の猿について考える。

1番下の猿は、ほかの猿からバナナを奪うことができないので、1本でもバナナを奪ったことが分かっている猿は1番下ではあり得ない。これにより、1番下の猿はAまたはEだといえる。
Eが1番下だと仮定すると、EはDより下であり、またCから1本奪われたことが分かっているので、少なくとも2本のバナナを奪われているといえる。Eは他の猿からバナナを奪うことはできないため、食べたバナナの本数は3-2=1[本]以下である。これは、Eが計2本食べたことに反する。
よってEは1番下ではない。つまり、1番下はAである。

Aは他の猿からバナナを奪えないため、食べたバナナの本数は、3-2=1[本] となる。
B、C、Eが食べたバナナの本数は分かっているから、Dが食べたバナナの本数は
16-1-4-3-2=6[本] と分かる。

次に、Eの順位について考える。

EはCからバナナを奪われているため、Cより下である。また、Cは食べたバナナの本数が最初に持っていたバナナの本数より少ないので、ボス猿ではあり得ない。よってEは上から3番目または4番目である。
Eが上から3番目だと仮定すると、Cは上から2番目となる。これによりCはボス猿のみにバナナを奪われたことになる。Cが食べたバナナの本数を考えると、Cはボス猿に少なくとも2本のバナナを奪われたことになるので、ボス猿はBとなる(Dは各猿から過不足なく1本ずつ奪うため)。これにより序列は上からB C E D Aと定まる。
しかしこの条件で食べた本数、奪った本数、奪われた本数をつり合わせることはできない(各自確かめよ)。
よってEは上から3番目ではなく、上から4番目である。

次にボス猿について考える。

上で示した通り、Cはボス猿ではないため、ボス猿はBまたはDとなる。
Dがボス猿だと仮定すると、Dはバナナを1本も奪われず、他の猿から計4本のバナナを奪い、6本のバナナを食べたことになるので、始め持っていたバナナは6-4=2[本]となる。
よって、Bが始めに持っていたバナナは16-3-4-2-3=4[本]となる。
よってBは2本のバナナを奪われたことになるから、Bは上から3番目となる。これにより、序列はD、C、B、E、Aとなるが、この場合もバナナの本数がつりあわなくなる。
よってDはボス猿ではなく、ボス猿はBである。

以上から、序列は上からB、C、D、E、AまたはB、D、C、E、Aのどちらかであるといえる。このうちB、C、D、E、Aは条件「ボス猿以外は必ず1本以上のバナナを他の猿に奪われた」を満たし得ないため、上から順にB、D、C、E、Aのみが答えとなる。

各猿の間のバナナの受け渡しは、次のようになっている。
A→D、A→E、 C→B、 C→D、 D→B、 E→C、 E→D
(1本の矢印は、1本のバナナの受け渡しを表す)


成績評価

配点は、各順位についてそれぞれ20点ずつ、計100点。
60点以上の者には北海道淡水大学ザ理学部の単位を認定する。
成績評価について異議申し立てがある者は、ザリまで。



担当教官からのコメント

あけましておめでとうございます。1月のブログ係だったザリです。ブログを書くのを忘れてしまいすみませんでした。
実は部室に年賀状を置いておいたのですが、気づきましたか?これは、年賀状に書いておいた問題です。
ちなみに回答してくれたのは妹、高校時代の友人、ビラがパズルな理学部生の3人だけでした。ザリはとても寂しがっています。来年以降も懲りずに出題する予定なので、次こそは挑戦してみて下さい。